PhotoBroom

iPhone に重複項目アルバムがあっても整理アプリは要る?

著者 Valerius公開 リサーチの方針

短い答え

完全に同じ重複であれば、iPhone に最初から入っている「重複項目」アルバムでたいていの人には十分で、PhotoBroom がそれを置き換えるわけではありません。Apple の iPhone ユーザガイドは、「写真」App が重複した写真とビデオを「重複項目」コレクションに集め、一組を最も品質の高い一つに結合すると説明しています。PhotoBroom があるのは、このアルバムに対応する機能がない散らかりのためです。連写のほぼ同じコマ、スクリーンショット、画面収録、サイズの大きすぎる動画、スコアの低い写真。問題が重複コピーだけなら、標準のアルバムで終わりにしてください。

要点

  • Apple は、「写真」App が重複を「コレクション」→「ユーティリティ」の下の「重複項目」に集めることを記載しています。
  • 「写真」App の結合は、最も品質の高い版と統合されたデータを残します。PhotoBroom に結合はなく、一つを残してほかを削除します。
  • 「重複項目」コレクションの照合基準を Apple は公開していません。しきい値も、時間枠も、定義も示されていません。
  • 「重複項目」コレクションは無料で、インストールも不要、ビデオも対象で、iOS 16 以降で使えます。PhotoBroom は iOS 18.0 が要ります。
  • PhotoBroom を入れる値打ちがあるのは「写真」App に対応する機能がないカテゴリのためであって、完全な重複のためでも、すでに「メディアタイプ」にまとまっているスクリーンショットや画面収録のためでもありません。

iPhone の「重複項目」アルバムは、実際のところ何をしてくれますか?

「重複項目」アルバムは重複した項目を集めて結合を提案します。それだけで、Apple はこの動作を 三文で書ききっています。Apple のガイドには、「写真」App が写真ライブラリの中の重複した写真と ビデオを「重複項目」コレクションにまとめること、そこへは「コレクション」→「ユーティリティ」 →「重複項目」の順にタップして行けることが記載されています (Apple, Merge duplicate photos and videos on iPhone、 2026-08-03 参照)。結合については、同じページの iOS 16 版が 「combines the highest quality version and all of the relevant data across the duplicates, and keeps that one in your library」— 最も品質の高い版と、重複したファイル全体にわたる関連データを ひとつにまとめてライブラリに残す — と説明し、「the remaining duplicates are moved to the Recently Deleted album」、残った重複は Recently Deleted(最近削除した項目)へ移ると続けます。 ライブラリに重複がなければ、このコレクション自体がまったく現れないことも Apple は書いています。

Apple が公開していないのは、その基準です。類似度のしきい値も、時間枠も、二つのファイルを 「似ている」ではなく「重複している」と判断する定義も、どこにも示されていません。この沈黙は、 アルバムがもうすべて拾ってくれたと思い込む前に、気に留めておく値打ちがあります。

重複写真アプリが本当に要らないのは、どんな人ですか?

容量の問題が文字どおり重複コピーである人です。同じ一括取り込みを二回してしまった、ライブラリ にある写真を誰かが送り返してきた、復元でカメラロールの一部が二重になった。こうした場合には 「写真」App の「重複項目」コレクションが正しい道具で、PhotoBroom がそこに足せるものは ありません。無料で、すでに入っていて、写真だけでなくビデオも見て、削除ではなく結合し、 そもそも他社製アプリに写真ライブラリを開く必要すらありません。

標準のアルバムで足りるのは、三つの合図がそろったときです。「重複項目」コレクションに意味の ある件数が出ていること。ライブラリが数千枚に届かない規模であること。そして、スクリーン ショットと動画ファイルが不満の対象に入っていないこと。

三つとも当てはまるなら、結合して、そこで終わりにしてください。

それぞれの道具は、何をカバーしていますか?

二つの道具は、あまり重なっていません。Apple の「重複項目」コレクションは、同一の項目のための、 狭くて無料の単機能です。PhotoBroom のほうは、何とも同一ではない散らかりに向けた七つの検出 カテゴリです。下の表は順位ではなく、分担の表です。

道具見つけるもの見つかったものはどうなるか使うのに何がかかるか要るもの
「写真」App の「重複項目」コレクション(Apple)「写真」App が重複と判定した写真とビデオ。照合の基準を Apple は公開しておらず、しきい値も時間枠も示されていません。結合すると、最も品質の高い版と統合されたデータが残り、それ以外は Recently Deleted へ移って 30 日間保管されます。何もかかりません。iOS の一部で、どんな形の購入もありません。iPhone ユーザガイドの iOS 16 版以降に記載。インストールするものはありません。
PhotoBroom七つのカテゴリ。類似写真、Swipe to Clean、スクリーンショット、低スコアの写真、画面収録、大きな動画、短い動画。類似写真は、設定できる時間枠(初期設定では五分)の中で撮られた写真を Apple Vision の feature print で比較してまとめます。結合ではなく削除です。類似グループでは最もスコアの高い一枚が残す側としてあらかじめ選ばれ、それ以外が削除されます。メタデータが統合されることはありません。削除したものは、ほかの削除と同じく Recently Deleted に入ります。整理カテゴリはすべて無料で、スキャン結果も常にすべて見えます。無料での削除にだけ枠があり、一日にどの種類でも 50 項目、さらに大きな動画 2 本まで。iOS 18.0 以降の iPhone と iPad。写真ライブラリへのアクセスが必要です。

いま抱えているのは、どの容量の問題ですか?

症状に道具を合わせます。原則論でインストールしても、誰の得にもなりません。標準のアルバムが それだけで答えになるのは完全な重複の行だけで、ほかの行こそが、別のアプリが存在する理由です。

抱えている問題「写真」App が用意しているものPhotoBroom が足せるものがあるか
同じ写真やビデオが二回保存されている「重複項目」コレクション。結合すれば最も品質の高いコピーが残りますいいえ。標準のアルバムを使ってください。PhotoBroom に結合はなく、ここで勝てるところもありません
一回の連写から生まれた、ほぼ同じ六枚。どれも完全な複製ではない記載されたものはありません。Apple の「重複項目」コレクションは、重複についてだけ説明されていますはい。類似写真が、設定できる時間枠の中の写真をまとめ、いちばんスコアの高い一枚をあらかじめ選びます
一年かけて溜まったスクリーンショット「メディアタイプ」に閲覧用のスクリーンショットのコレクションがあり、「選択」で複数選択もできますごくわずかです。検出に使うのは同じ iOS の撮影時タグで、違うのはまとめて選ぶときの手数だけです
数本のビデオが、静かに容量の大半を占めているビデオをファイルサイズ順に並べるものはありませんはい。大きな動画が、あなたの決めたしきい値を超えるビデオを大きい順に、正確なサイズ付きで並べます
ブレたり、フレーミングが崩れたりした写真ありません。「写真」App に品質の順位付けがあるとは Apple も書いていませんはい。低スコアの写真が、端末内の Apple Vision の美的スコアで、あなたの決めたカットオフに照らして並べます
シャッターの押し間違いでできた一秒のクリップ再生時間で切り出せるものはありませんはい。短い動画が、あなたの決めた長さ未満のクリップを集めます。Live Photos は除外されます

「写真」App が PhotoBroom より優れているのは、どこですか?

下に挙げるうち一つは構造的な差で、残りは実務上の差です。構造的なのは結合です。Apple の 「重複項目」コレクションは一組を一つの項目にまとめ、最も品質の高い版と統合されたデータを 持たせます。PhotoBroom は一つを残してほかを削除するだけなので、何も結合されず、メタデータが 組み直されることもありません。ビデオは Apple の重複検出の対象ですが、PhotoBroom の類似写真 のグループ化には含まれません。届く範囲でも Apple が有利です。「重複項目」アルバムは ユーザガイドの iOS 16 版から記載されていますが、PhotoBroom は iOS 18.0 を必要とし、それより 古い iPhone には入りません。そして枠がありません。Apple は一日あたりの上限を課しませんが、 PhotoBroom の無料枠は一日にどの種類でも 50 項目、さらに大きな動画 2 本までです。

Apple には一銭もかからない、信頼の面での話もあります。「重複項目」コレクションを使っても、 他社製アプリに写真ライブラリへのアクセスを与えることにはなりません。そもそも他社が関わらない からです。

「写真」App に対応する機能がなく、PhotoBroom が足せるものは何ですか?

PhotoBroom の七つのカテゴリのうち五つには、「写真」App に対応するものがありません。残りの二つ は Apple がすでにカバーしている領域で、この二組の分かれ方こそが、この比較の正直な形です。 すべては Apple の Vision フレームワークを使って端末の中で動きます。アップロードはなく、 アカウントも登録もなく、アプリの中に広告もありません。

「写真」App に対応する機能がない五つ

Apple の「重複項目」コレクションが同じファイルだと判定したものを結合するのに対し、 類似写真が扱うのは、そもそも同じファイルではない写真です。 設定できる時間枠(初期設定では五分)の中で撮られた写真を Apple Vision の feature print (画像の特徴量)で比較し、特徴量の差が類似度のしきい値に収まったものをひとつのグループに まとめ、いちばんスコアの高い一枚を目立たせて、グループをその一枚まで減らせるようにします。 低スコアの写真は、同じ採点をライブラリ全体に当てはめ、端末内の Vision の美的スコアで、 あなたの決めたカットオフに照らして並べます。設定を有効にすれば、書類やレシートの撮影も 対象に加えられます。

PhotoBroom の「低スコアの写真」のグリッド。写真ごとに品質スコアが表示されている
写真ごとの品質スコア。「写真」App はどこにも見せていない数字です。 PhotoBroom’s own App Store screenshot. The figures in it are the screenshot’s, not a measurement. How we research.

残る三つに、採点はいっさい要りません。大きな動画は、サイズの しきい値を超えるビデオを大きい順に、正確なファイルサイズ付きで並べます。しきい値は 25 MB から 5 GB まで調整でき、初期設定は 100 MB です。短い動画は、あなたの決めた長さ(初期設定では三秒) より短いクリップを拾い出し、Live Photos は除外します。Swipe to Clean は、ライブラリ全体を カードとして配り、一度に一つずつ決めていきます。

手数だけが変わる二つ

画面収録とスクリーンショットは、新しい領域ではありません。どちらも iOS が撮影した時点で付ける タグ — Apple 自身の「メディアタイプ」のコレクションの裏にあるのと同じタグ — を使うので、 検出そのものは同じです。PhotoBroom が足すのは、まとめて選べること、ファイルサイズ、並べ替えで あって、よりよく見つけることではありません。

この二つのためだけにアプリを入れるべき人はいません。

Apple Photos を使うべきなのは、どんなときですか?

次のどれかに当てはまるなら、「写真」App の中にとどまってください。「重複項目」コレクションに すでに大きな件数が出ているなら、まずそこで結合します。無料で、品質とメタデータを残し、それ だけで問題がまるごと片づいてしまうこともあります。iPhone が iOS 16 や iOS 17 で動いているなら、 PhotoBroom は入らないので、二つのうち標準のアルバムだけが選択肢です。他社製アプリに写真 ライブラリへのアクセスを与えること自体が気がかりなら、標準のアルバムはその判断をまるごと 避けられます。そして、「メディアタイプ」を手でひと通り見ていける程度のライブラリなら、アプリ は余計な荷物です。何もインストールせずに手で片づける という選択は本物で、専用のページも用意しています。

別のクリーナーを入れるのは、標準のアルバムを使ってもなお容量が戻らないと分かってからです。 その時点で残っている重さは、まず重複ではありません。

どちらが要るのか、一分ほどで見分けるには?

まず「重複項目」コレクションそのものから始めます。「写真」→「コレクション」→ 「ユーティリティ」→「重複項目」です。そこに見当たらないなら、ライブラリに重複がひとつも ないという意味だと Apple が説明しています。それで決まりです。この iPhone に、重複を消す道具は どんな形でも合いません。大きな件数とともに出ているなら、ほかを考える前に結合します。

次に、重さが本当はどこにあるのかを調べます。「設定」→「一般」→「iPhone ストレージ」に、 アプリごとの使用量と並んでストレージの推奨事項が出ます (Apple, Manage storage on iPhone、 2026-08-03 参照)。この一覧の上のほうに「写真」がいないなら、問題はアプリのほうで、ここで 扱った二つはどちらもそこには触れません。上にいるなら、最後に「写真」→「コレクション」→ 「メディアタイプ」→「ビデオ」を見れば、どの種類のメディアの問題なのかが分かります。長い ビデオが数本で容量の大半を占めているなら、要るのは重複を探す機能ではなくサイズ順のビデオ 一覧で、場合によっては削除するより容量を買うほうが いいかもしれません。

そのあとに残ったものが、標準のアルバムでは最初から届かなかった部分です。

よくある質問

iPhone には、もう重複写真を消す機能が入っていますか?

はい。Apple の iPhone ユーザガイドには「写真」App の「重複項目」コレクションが記載されていて、「コレクション」→「ユーティリティ」→「重複項目」の順にタップして開きます。「結合」をタップすると一組が一つの項目にまとまり、Apple は結合が「combines the highest quality version and all of the relevant data across the duplicates」— 最も品質の高い版と、重複したファイル全体にわたる関連データをひとつにする — ことだと説明し、残りは Recently Deleted(最近削除した項目)へ移ると書いています。iOS の一部なので費用はかからず、写真だけでなくビデオも対象です。

「写真」App に「重複項目」アルバムがあるのに、他社製の重複写真アプリを入れる値打ちはありますか?

完全な重複のためなら、ありません。標準のアルバムがその仕事をこなしていて、他社製アプリがそこに足せるものはありません。別のアプリを入れる値打ちが出るのは、容量の問題が「写真」App に対応する機能のない形をしているときです。同一ではないけれど互いによく似た連写の並び、一年分のスクリーンショット、画面収録、あるいは容量の大半を握っている数本のサイズの大きすぎるビデオ。

iPhone の「重複項目」アルバムで見つからないものは何ですか?

Apple は「重複項目」コレクションを、重複した写真とビデオを対象とするものとして説明しています。一方で、スクリーンショットをまとめて処理する、画面収録をサイズで見る、あるサイズを超えるビデオを取り出す、うっかり撮れた短いクリップを拾う、写真を品質で順位付けする — これらに当たるコレクションは記載していません。「写真」App はスクリーンショットと画面収録を「メディアタイプ」に集めて閲覧できるようにはしますが、その中にスキャンも、順位付けも、サイズでの並べ替えもありません。

PhotoBroom は「写真」App の「重複項目」コレクションと何が違いますか?

PhotoBroom は、設定できる時間枠(初期設定では五分)の中で撮られた写真を Apple Vision の feature print でグループにまとめ、各グループで最もスコアの高い一枚をあらかじめ選んで、残りを削除できるようにします。狙っているのは同一のコピーではなく、ほぼ同じコマのほうです。PhotoBroom にはこのほかに六つのカテゴリがあり、その中の大きな動画はサイズのしきい値を自分で調整できます。「写真」App にこれに当たるものはありません。

「写真」App で重複を結合すると、何かが完全に消えますか?

すぐには消えません。結合すると一つにまとまった項目がライブラリに残り、残りの重複は Recently Deleted(最近削除した項目)へ移ることを Apple が説明しています。削除した写真とビデオはそこで 30 日間保管され、そのあとすべての端末から完全に消えます。この 30 日のあいだなら、元に戻すことも、自分の手で完全に消すこともできます。

「重複項目」アルバムを使うには、どの iOS が要りますか?

Apple の iPhone ユーザガイドは iOS 16 版から「重複項目」アルバムを記載していて、現在の版にも「コレクション」→「ユーティリティ」の下にあるものとして残っています。PhotoBroom は iOS 18.0 以降が要るので、iOS 16 や iOS 17 で動いている iPhone では、標準のアルバムは使えて PhotoBroom は使えません。